糞便検査

 

 当院では、直腸から採取した新鮮便を顕微鏡で直ちに観察する直接法と、お持ち頂いた便を飽和硝酸ナトリウム液を用いた浮遊法の2種類の検査を行っています。

 直接法では便の細菌の様子、消化不良の有無、原虫(トリコモナス、ジアルジア)の有無などがわかります。浮遊法は、密度が低い寄生虫卵を浮遊液の一番上に浮かせることで、わずかな寄生虫卵を高感度で検出できる方法です。浮遊法では、小指の爪ほどの便が必要で、判定まで20分かかります。

 

コクシジウム

 浮遊法で見つかったコクシジウムの成熟オーシストです。子犬や子猫の下痢の原因になることもあります。

 当院では、アセチルスピラマイシンとスルファジメトキシンの経口投与で治療します。

 

 


回虫卵

 富良野市周辺で保護された子猫ちゃんは高確率で保有しているようです。子犬でもたまに見かけます。写真の様に浮遊法では、たくさんの回虫卵を観察する事ができるため、高い確率で発見することが出来ます。通常、パモ酸ピランテルとプラジクアンテルの合剤を処方しています(注:回虫卵に有効なのはパモ酸ピランテルです)。ワンちゃんではフィラリア予防薬でも駆虫できるタイプのお薬もあります。飲み薬が苦手であれば、背中につけるタイプのお薬もご用意できます。